新型コロナウイルスの感染対策に思うこと・・・

新型コロナウイルスの感染者数が連日報道され

残念なことに北海道が最悪・・・、といわれています

確かに、北海道 特に札幌はウイルスが蔓延する条件が揃っていますね

温かくて湿った環境が好きな細菌と違って

ウイルスは低温乾燥の環境で増殖しやすくなります

しかも、飛沫感染なので人の唾液を吸い込んだり、

あるいは唾液が付いた手で粘膜に触れるとウイルスが感染します

なので、混雑して空気が澱んでいる場所が危ない・・・

それを考えると、中国の春節と重なった「札幌雪まつり」が水際だったような気がしますね

ほとんどの人が、寒い雪まつり会場を歩いた後は、温かい地下街に入り

地下街は観光客や地元の人たちで通勤ラッシュのような状態

飲食店も、寒さで換気が不十分になってしまうのかもしれませんね


たまたま雪まつりの頃に地下街を歩いていた私は 「これはまずい」と思ってしまいました

なぜ、雪まつりを中止できなかったのか・・・

勿論、観光客がいなければ損害が大きいというお仕事もたくさんあって

中止の決断は難しかったのでしょうね



今更 あの時こうしておけば良かった・・、なんて話をしても仕方ないので

感染を予防する方法、感染したとしても発症しないように

さらに、発症したとしても軽症で済ませる方法を考えるしかないですね



予防のためにはマスクとアルコール消毒、といわれて

マスクとアルコール消毒薬が手に入らなくなっていますが

基本的にはやはり手洗いで

そして手洗いができない場所ではアルコール消毒、ってことでしょうか


本来マスクは 咳をしている人が飛沫を飛ばさないようにするためのもの

なので、咳をしていない人がマスクをする必要はないのです

でも、咳をしてもマスクをしない人

つまり咳エチケットを守らない人が多いので

咳をしていない人がマスクをしなければならなくなっているのです


マスクがない時にはなるべく人混みを避けて歩き

人口密度が高くて換気が悪い屋内には入らないようにして

自分が咳をする時や、咳をしている人が近くにいる時はハンカチで口と鼻を押えて

汚れたハンカチをポリ袋にでも入れて持ち帰って洗う

ということでもある程度は予防できるような気がします



それと、できれば眼鏡をかけたほうが良いですね

勿論度が入ってなくても大丈夫

ウイルスは粘膜から感染するので

飛沫が目に入るのを防いで、目をこすったりしないようにするのにも有効です



とっても古い話で恐縮ですが・・・

私が子供の頃はマスクといえばガーゼマスクしかなくて

風邪をひいて咳がひどい時は ガーゼマスクの内側にさらにガーゼを重ねて・・・

汚れたら洗って、熱湯消毒 みたいな・・・

今思えば それでも肺炎になることもなく

いつの間にか風邪も治って・・・


思えば、使い捨てのキッチンタオルもない時代

台所にはテーブルを拭く布巾や 食器を拭く布巾 

手を拭くタオルが置いてあって

毎日夜になるとまな板や布巾をハイターにつけて

そうして清潔を保っていましたね

今はハイターも進化して スプレー式の消毒液をかけるだけ・・・、のようですが

ペーパータオルでゴミも増えて

デマに振り回されてティッシュやペーパータオルまで買い占められる世の中・・・

なんでもディスポにしてしまったことの弊害ですね



ところで、もともと、コロナウイルスは風邪のウイルスの一種で

それの新型なので、ウイルスの特性は未知の部分は多いけれど

ウイルスの基本的な性質としては、そんなに大きな違いはないと思います


例えば、膀胱炎の原因にもなる「細菌」は人の身体の中でも外でも どこでも増殖するので

私たちの身辺のどこにでもいて

石鹸で洗っても細菌がなくなることはありません

湿った環境が好きなので 乾燥が大切


でも、ウイルスは動物の身体の中でしか増殖できないし

湿った環境が比較的苦手で

手についても洗えば流れてしまい、熱湯やアルコール、次亜塩素酸などで死滅します


ただ、新型の場合、身体から排泄された後どのくらい生きているかわからないし

のどや肺などの気道にどの程度付着しやすいのか

潜伏期はどのくらいなのか

わからないことが多くて、治療薬もないので不安になってしまいますね


でも、基本は手洗いとうがい

頻回のうがいは結構大変なので

頻繁に水分をとって喉を潤すことでも良いと思います



思えば、子供の頃に親から言われていた言葉

「外から帰ったら 手を洗ってうがいをしなさい!!」

これが基本だったのです


私が子供の頃は、公共のトイレにペーパータオルも温風ドライの機械もなかったので

常にハンカチを何枚も持っていました

特に私はハンカチが好きで

「ハンカチ姉ちゃん」と呼ばれていて・・・



それと、泌尿器科医になった時に先輩から強く言われたのが

「泌尿器科医の手が一番汚い と言われないように、手洗いだけはやりすぎと思うくらいやりなさい」

ということでした

排泄物を扱う科だから より一層注意しなさい ということなのです

そして、泌尿器科も外科医だから、オペ室でのガウンテクニックや、

手袋の着脱などの感染予防は厳しく指導されていて

清潔領域と不潔領域の区別も自然にできるようになりましたね

というか 気になりすぎることもあって・・・それも困りもので・・・

気づくと一日何回も石鹸で手洗いをしていて

おかげで手はカサカサ・・・



今は公共のトイレもペーパータオルが備え付けられているところが多いので安心だけど

時々備えがないところもあって

そんな時には 手を洗わないでトイレを出ていく人や

濡らした手で髪を撫でて そのまま出ていく人を見かけることがあります

ハンカチを持っていないのかしら・・・

あの手はどうなるのかしら・・・、と考えただけで心配に・・・

きっとそのままスマホに触ったりするんだろうなぁ・・・

自分のスマホなら仕方ないけど

いろんなところを触るんだろうなぁ・・・

そのまま目をこすったり、ご飯食べたりして・・・

手についた細菌が食べ物と一緒に口から胃に入って、それが腸に入って 

また便に出て、その細菌が尿道から膀胱に入って・・

膀胱炎になったらどうしよう・・・

なんて いかにも泌尿器科医的な妄想に耽ってしまう私なのです・・・


あっ、もともと便にはたくさんの細菌がいて

便の中の菌が膀胱炎のもとになるのはよくあることなのですが

最近 膀胱炎の原因菌も薬剤耐性菌が多くて

しかも、抗菌剤を服用したことがない人が耐性菌を持っていることもあって

色々な妄想が膨らみますねぇ・・・

知らないところで耐性菌を手に付けて それが身体に入って・・、とか・・

もしかして 輸入肉に抗菌剤が使われているのでは・・、とか・・



またまた話がそれてしまいましたが



とはいえ、もし感染してしまったらどうしたらよいのでしょうか

今回のウイルスの一番不安なところは 

潜伏期間が長くて 発症しないまま終わってしまう感染者がいるということ

本人に自覚がないということが 感染を広げてしまいます


なので、まず大切なのは自分も感染していると思って行動することですね

あまり大声で話をしない(大声で話すとくしゃみの時と同じくらい 2mくらい唾液が飛びます)

不織布マスクを過信しない

人ごみを避ける(人がいない道を歩いているときはマスクは不要です)


もし、風邪症状が出た時は、まずは風邪薬や消炎剤で経過をみて

熱が出たらお仕事を休んで 解熱剤などの対症療法

それでも熱が続くときは その地区のコールセンターに連絡して

コロナウイルスの検査ができる医療機関を紹介していただく

ということでしょうか



それと、基本中の基本ですが

免疫力を高める

幸い私はもともと体温が高くて 免疫力が強いです

睡眠時間も短いし、痩せているので弱いように見えるのですが

若いころに筋肉と骨を鍛えていたのも良かったような気がします

開業するまではインフルエンザワクチンをしたことがないけれど

(ワクチン注射が痛かったので・・・)

未だにインフルエンザにかかったことがありません

風疹になった先生と至近距離で一緒に仕事をした時もうつらなかったなぁ・・・

もしかして 眼鏡が思った以上に有効?


これから年をとってどうなるかわかりませんが・・・



参考までに、私が気を付けていること

から仕事中はマスクと眼鏡着用

でも、昔は今みたいな不織布のマスクは医療現場でも少なくて

普段はペラペラの紙マスクでしたね

診察の途中でも頻回に手洗いをして 

手洗いに立てない時や、病室で複数の患者様を続けて診察するときなどは

アルコールガーゼを持ち歩いて、その都度手を拭く

アルコールガーゼの匂いで、お酒を飲みたくなったりして・・・

昔は今みたいに速乾性のアルコール消毒薬がなかったので・・・

便利な時代になりましたね

そして職場を出る時と帰宅後にも手洗い

自宅では石鹸で手洗いするだけでアルコールは使いません



日常生活では

お風呂好きで、しかも42℃のお湯に10分入る(その後爆睡)

ヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品は必ず毎日摂取

リンゴ、バナナ、柑橘系など果物も必ず食べる

チョコレートは大好きで、常時携帯

身体が冷えるのでカフェインは控えめで(仕事中はカテキン摂取のため緑茶を飲むことも)

ビールは身体が冷えて、利尿作用が強くて脱水になるので飲まない 

お酒を飲むときは 好きな蒸留酒を少々~気分次第で適量・・(大好きな芋焼酎あるいはアイラ島)

他にもお肉大好き とかいろいろありますが・・・


私の食生活をただ並べてみただけですので・・・参考にならないかもしれませんが

私なりに色々理論武装して気を付けています




最後にもう一つ気を付けていただきたいのは

新型コロナウイルスは 気道感染のみならず、便や髄液にも感染した例が報告されていますが

やはり呼吸困難が強くなって 肺炎で亡くなる方が多いです

タバコはリスクファクターになるというお話も聞いたことがあります

喫煙している方は 今からでも禁煙をおすすめしたいです



それと、外出を控えてなるべく病院を受診しないように・・

なんて言われているので、具合が悪くても我慢して

重症になってから受診する方が増えています

例えば、膀胱炎を我慢して腎盂腎炎になったり・・・

腎盂腎炎は放置すると細菌が血液の中に入って

命の危機にさらされる可能性がある病気です

決して我慢しないで早めに受診しましょう



新型コロナウイルスを必要以上に怖がって デマに踊らされてはいけないけれど

あまりに楽観的に、そして甘くは考えないほうが良いですね


だって、核兵器より恐ろしいのは細菌兵器、ウイルス兵器

人類滅亡もありうる・・・

ウイルスも細菌も、人間と同じように 生き延びるために進化し続けています

でも、ウイルスは人間が滅亡すると生きていけないので

ある程度共存できるところで落ち着くような気もしますが

その前に少しでも犠牲者を少なくしなければいけません



そして、医学に「前例がない」 は通用しないのだから

昨日の常識が明日の非常識になるかもしれない それが医学です

あらゆる可能性と最悪の事態を想定して 行動することも大切な気がします

多くの研究者や臨床医の努力と

犠牲になった命のおかげで医学は進歩してきました


でも、できれば犠牲者を増やしたくない・・・

医療従事者の力だけでは困難な今の状況を

すべての人の力で乗り越えていかなければならないですね



もし、運よくこの事態が収束しても

決してこのことを忘れてはいけないし

教訓にしなければいけない・・・



そんな気持ちで このブログを書いてみました



食事に行くのもままならず

もうすぐホワイトデーなのにデートもできない・・・

大好きなライブにもいけない

日常の活動を制限されるのはつらいけれど

この機会に少し体を休めて

お友達と電話でもしながら

自宅でのんびりするのも良いかもしれませんね

皆様 本当にお気を付けください


私も気を付けます

この記事へのコメント

気仙のまっさん
2020年03月11日 12:34
ありがとうございます。大変わかりやすかったです。自分が出来ることを、あまり神経質にならず、誤報に惑わされず、我慢、辛抱も、やれることを笑顔?でやっていきます。先生、皆様のご健康を心より祈っております。
ほのぼの
2020年03月13日 23:56
気仙のまっさんさんコメントありがとうございます。
岩手でまだ感染者が出ていないことが、安心材料です。
盛岡は満員電車がなくて、通勤は自家用車の移動がほとんどで、地下街もありません。
感染予防の方法が見えてきますね。

そして、やはり手を洗うことが一番大切です。
医者になった時に、一番汚いものは「血液」、その次が「手」と思いなさい、と言われました。
日本人は綺麗好き、そう思っていたのですが・・。
時代は変わっているのでしょうか?
とても心配になってブログに書いてしまいました。
気仙のまっさんさんもくれぐれもお気を付けくださいね。
太郎冠者
2020年03月16日 20:21
免疫力を高める?難しいです。カトリック教会のミサ今月末まで中止免疫力が、さがってます。どうしたらいいですか?
ほのぼの
2020年03月18日 00:12
太郎冠者さんコメントありがとうございます。
普段の生活で免疫力を高めることは可能かもしれませが、今の状況は毎日がストレスなので免疫力を上げることは難しいかもしれませんね。
友達と会うこともできず、コンサートやライブも中止になって、私もとてもストレスが溜まっています。
仕事の時も今まで以上に消毒やお掃除に気を使っているので、気が休まるときがありません?
とりあえず、深く悩まないようにするしかない、と思っています。

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>免疫力を高める?難しいです。カトリック教会のミサ今月末まで中止免疫力が、さがってます。どうしたらいいですか?

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