ワクチンは何処へ行ったのでしょうか・・・
新型コロナウイルスワクチンの供給が減って 地方自治体や医療機関は混乱しています

特に医療機関は既に予約済みの方にキャンセルの電話をしたり
在庫管理に苦労しているようです💦
最初は 接種が進まないのは医者の協力がないから
歯科医師や薬剤師、臨床検査技師が訓練を受けて注射をする
なんて話も出ていましたが
札幌の場合は 集団接種会場の医師登録をしている医師のところにも自治体からの要請はきていないので
医師は足りているらしい とのこと

それなら集団接種会場を増やせば良いのに、と単純に思ったのですが・・・
もしかして 医師以外の事務方や看護師の人手不足もあるのでしょうか

ちなみに ワクチンの種類については
医療機関での個別接種はファイザー
集団接種会場はモデルナ なのかなぁ・・・と思っていたら

札幌の集団接種会場の2ヶ所はファイザーのワクチンを使っていました

ということは そもそもモデルナのワクチン供給量が少なかったの?
今思えばそんな気がするのですが・・・

今日のニュースでは 河野大臣が
工場の生産ラインの問題でモデルナのワクチン生産がとまっているため
職域接種のワクチン供給が遅れる と言っていました

それと同時に アストラゼネカのワクチンの接種を開始する とも・・・
なんと好都合なタイミングのニュース

ところで 政府はとにかく接種を促進したかったようで
5月末の時点で 北海道を通じて国からの個別接種促進の通達が来て
医療機関で週に100人以上の接種を7月末までに4週以上行った場合に接種費用の上乗せ

あるいは1日50人以上の接種を行った場合は1日毎の補助金が出る・・・という条件なので
それならば と 新たに接種を開始したり 予約を増やした医療機関は多かったはず

そうこうしているうちに職域接種も始まって・・・
ワクチンは潤沢に供給できるんだぁ・・・、なんて思っていたら
突然のワクチン不足

そして 職域接種の受付中止
医療機関のワクチン供給停止

とにかく一日150万回目指せ~!!
って言われて現場が頑張っていたら
打ちすぎだから減らせ~!!
ってどういうこと?

「梯子を外された!」って思いたくもなりますよね

でも、梯子を外すのは国の常套手段

私たちの業界では 2年毎の診療報酬改定のたびに梯子を外され続けていたので
やっぱり・・・という思いはありますねぇ・・
診療報酬改定に適応しようと設備投資をして
梯子を外されて 借金だけ残ったり
潰れた医療機関もあったり
うまい話には気をつけなきゃ・・・

最近ではオンライン資格確認システムの導入
マイナンバーカードで保険情報や医療情報を共有できるシステムだけど
システム上の不備が明らかになり 未だに試験段階

これに対応するカードリーダーやパソコンの設備投資は報われるのか・・・

当院も心配
ただでさえ 去年の借金があるのに・・・

話がそれてしまいましたが
事程左様に国は医療機関にノルマを課して そのうえで梯子を外す
そうと知りつつ、従順な医療機関は頑張っています

それが患者さんのためになると思うし 逆らうと怖いから
つまり 政治家や官僚が思っている以上に医療現場が頑張ってしまう国なのです
いえ 医療機関だけではなく 飲食店等多くの業界の現場も頑張っています
その現場の頑張りで コロナ禍もここまで持ちこたえてきたような気がしますね
なのに、トップが現場の状況を把握できていない

しかも、専門家の助言を無視して
オリンピックを強行している

医者は余計な事は言わずに
言われた通りにやっていればいいんだ みたいな感じで・・・

しまいには マスコミに対して
「人流は抑制されて、重症者も減っているのだから 国民の危機感を煽るような報道はしないように」
え? 既に危機的状況ですけど
これって報道統制?
戦争中の言論統制と同じですよね

怖い~

ふと 30年近く前に国立病院に勤めていた時のことを思い出しました

私が勤務していた病院の近くにあった国立病院の医師数が足りなくて
このままでは 病院の格が下がってしまうので医師を補充しなければならなくなり
国立病院の院長から頼まれた大学の理事長が泌尿器科の前教授だったので
突然私が呼ばれて「来月から国立に行って 泌尿器科を開設してほしい」
何故?と思ったけれど 当然逆らうこともできず
私は夏休み返上で泌尿器科開設の準備をしたのです

国公立の病院に勤務したのが初めてだった私が
まず、驚いたのは 事務系の課長クラスの高圧的な態度

お給料日には 会計課長から電話がかかってきて
「給料出たからとりにきて」
その態度には 日々頑張って働いている医師や看護師に対する
感謝や敬意は感じられず

給料やるから取りに来い・・・的な感じ
数年に一度行われる 厚生省(当時は)のお役人様の視察
平日の昼に 大名行列のように事務と医師と看護師長を従えて院内を視察
その間は診察を休止するように と言われたけれど
私は外来を休むわけにはいかず 診療を続け
視察の後の「総評」の時に会議室に参上
お役人様の視察結果を拝聴する時間の後に
「この内容について質問や意見があったらどうぞ」 と言われたので
公務員に慣れていなかった私は つい気づいたことを述べてしまったのですが・・・

その内容が気に障ったらしく
お役人さまの口から 恐ろしい言葉が
「そんなことを言ってもいいのか? その年になったら ここを辞めさせられると働くところはないんだろ?」
え?? どういうこと?

意見があったら言え、って言われたから思ったことを言っただけなのに

その年 って言われても 私はまだ30代半ば
医師としてはまだまだひよこ と思っていたくらいのレベルで
しかも、そこの病院に赴任するきっかけは 病院側からの要請で
私が来たのは理事長と教授の命令
私の意思ではない

さらに、泌尿器科は医師不足なので 引く手あまた・・・

私が女医だから?
後で知ったのですが
意見を と言われて実際に意見を述べた人はいない とのこと

言っちゃいけない という暗黙の了解があったのです
あきらかにパワハラですね
事務は頭脳労働者 医師や看護師などの医系技官は肉体労働者で
肉体労働者は頭脳労働者の指示通りに働いていればいい ということなのだそうです

でも、きっとその体質は今でも変わっていないのでしょうね

その後すぐに 私はその話を教授に直訴
教授は怒って 私は元の病院に戻され
その病院から泌尿器科はなくなりました

大きく話はそれてしまいました

ということで ワクチンはホントにないのでしょうか?
たとえば 職域接種の関西の大学では 冷蔵庫の温度管理が不適切でワクチン2510回分を破棄
中外製薬では 冷蔵庫のプラグが抜けて1600回分を破棄
集団接種の栃木県では 冷蔵庫の電源を落としてしまい ワクチン1200回分破棄
もったいない・・・

でもこれは氷山の一角 のような気がしますね
冷蔵庫のトラブルって・・・ちょっと考えにくい

医師になって38年 今まで冷蔵庫のトラブルで医薬品を捨てたことはないし
自宅の冷蔵庫のプラグが抜けた経験もありませんね
タダでもらえるものだから 真剣に扱っていないのでしょうか・・・
というか それ以上に問題は
これだけ破棄しても、余剰分があるので接種には問題ない ということ・・・

つまり 最初から多く請求しているということですよね

北海道のある大学の職域接種では 学生全員分のワクチンを確保したけれど
学生が7割しか受けなくなって
結局 職員の家族やご近所の人に接種している・・・なんて話も聞きました

あるホテルでは 職域接種用のワクチンを ホテルのメール会員に接種している
という話も・・・
これってどういうこと?
こうして人数分以上にワクチンを確保しているところがあるとすれば
ワクチンがなくなるのは当然です

職域接種の人は接種券無しで受けているので
もしかして余剰のワクチンを打ってもらっているご近所の人たちが沢山いて
でも、接種券が回収されないので人数は把握できず
余ったものを 冷蔵庫のせいにして捨てている??
なんて・・・勘繰りたくもなりますねぇ・・・
そう考えると もしかして公表されている数字以上に接種率が高いのかもしれませんね
ところで 足りなくなったワクチンは 医療機関が抱えている と大臣はおっしゃっていましたが

医療機関の個別接種は 予約分を自治体に請求して週毎に配分されているので
過不足なく接種するために真剣勝負です
余分に抱えることは不可能です
ワクチン予約専用の電話回線を新設したところもあります
キャンセルされたことを逆恨みする人もいて
電話応対にも時間がとられ

当初 医療従事者の接種の時は
接種希望者の名前と住民票の住所を登録して
各自の接種券が送られてきて
それを持ってワクチンを受けに行かなければなりませんでした
医療従事者にはこれだけ厳しくして
医療従事者以外は接種券なしでも どこでも受けられるとなると
接種率の確認もできないですよね

ちなみに、私は既にワクチンをうけているのに
北海道から接種券が送られてきました

高齢の医療従事者が4回接種を受けた というニュースがありましたが
さもありなん ですね

こうしてみると
全てがどんぶり勘定
とにかく急げ急げ(おそらく総理大臣の命令)で
命令するだけで やりっぱなし
地方自治体の人員も足りないので お役所も大変です

それにしても
今日の東京の感染者はまたまた3000人越え

このまま際限なく増えていくでしょうね
アメリカではワクチン接種が進んでも 感染が再拡大してます
その90%以上がワクチン未接種の若い世代
アメリカの問題は
コロナの存在自体を信じていない人や
ワクチンを信用せずに拒否する人の感染が多いということ

アメリカでコロナの診療にあたっている医師のSNSの記事を目にしましたが・・・
コロナに感染して 初めてコロナの存在を信じるようになった20代女性の話
重症化して 人工呼吸器を装着される前に 「ワクチンをうってください」と懇願

医師は心の中で 「もう手遅れ」

その数日後にその女性は亡くなった・・・とのこと

何故 もっと早くワクチンを打たなかったのか?
そんな患者さんを毎日診ているのは 本当に辛く苦しいですね

そんな若い人たちに知っておいてほしいことがあります
例えば軽症の肺炎であっても 肺炎の痕跡は程度の差はあっても必ず肺に残ります

たまたまCTを撮った時に 肺炎の跡が残っている人がいて
そのことを伝えても その人は肺炎になった記憶がない と言います
軽い気管支炎などの跡かもしれません
コロナの重症肺炎で人工呼吸器をつけた40代の男性の話を聞いたことがあります
治療の効果があってコロナが陰性になって退院しましたが
今でも 胸が苦しく レントゲン写真では肺が真っ白のまま ということです

一生 好きなスポーツができないし

次に肺炎になった時には 回復できないかもしれません
死ななければ大丈夫・・・ではなくて
後遺症で一生苦しむ可能性もあるのです

政府にお願いしたい

まずは すべての職域接種 集団接種のワクチンの在庫と接種人数を確認してほしい
余剰ワクチンがあれば 医療機関にも回してほしい
新規感染者の中のワクチン未接種者の割合を報道してほしい
職域接種でワクチンを破棄した企業や学校名を公表する
と、大臣は言っていましたが
本当に公表するのでしょうか

また、いつものように 「やってる感」 だけにならないようにしてほしいですね

今日の総理の記者会見では
自信満々にワクチンと治療薬を十分確保している とか
オリンピック観戦のために家にいることで人流が減っている など
楽観的なことを言っていましたが

オリンピックバブル内でも感染が起こっていて
医療機関に入院した人もいること
すでにバブルが崩壊していること
全国的に感染者の数が増加していることには触れず
(というかその認識がない?)
まるで、コロナが沈静化しているような口ぶり

「危機感を持って感染対策をしていきたい」と・・・いつもながら具体的な政策については言及せず
相変わらず隔靴掻痒の感が否めない記者会見でした

それにしても 総理の あの自信はどこから来るのか

周りに意見を言える人がいない というのは恐ろしいことですね

40代50代若い人のために職域接種や大学接種を増やしているような話でしたが
仕事をしていない あるいは自営業の中高年、大学生以外の若者はどうなるのでしょうか

個人的な意見としては
集団接種会場を増やして
年齢順に接種していった方がわかりやすかったような気がしますね
急がば回れ ですね

札幌にも再度 まん延防止重点措置が出されましたが

デルタ株の更なる蔓延
南米で流行っているラムダ株が日本に上陸したら・・・
なんて考えると毎日本当に心配です

でも、くよくよすると免疫力が下がるので
「マスクはワクチン」

この言葉を信じて 感染対策しましょうね~

この記事へのコメント
天候も不安定、そして、それ以上に不安定、ていたらくなリーダーを持ってしまった以上、今まで以上に自分がしっかりしていかないとと思っています。本当に、現実が見えてないように思われ、全ての答弁がずれてるようで、しっかりしてほしいですね。
コロナが落ち着き、早くライブに参戦したいものです。
お暑い夏が続きそうですが、お身体には十分留意なされ、ご活躍を心から願っております。2回目ワクチン注射終了した高齢者より
医療機関でコロナワクチン接種の業務を担当しております。
これまでに何度となく失望させられた行政の対応。
希望する方にワクチンを接種する機会を出来なくなった時の失望。
モヤモヤした気持ちを先生が代弁してくださった様な気がします。
ありがとうございます。
暑い日が続きますが、お疲れが出ませんようにご自愛ください。
アナフィラキシーじゃなくても倦怠感や発熱の副反応は辛いですよね。
新型コロナウイルスのワクチンは感染、発症、重症化リスクを抑える作用は確認されています。
できれば接種した方が良いと思います。
ご検討ください。
札幌の猛暑は70年ぶりとのことなので、私は経験したことはありません。
そんな時にマラソンですか・・・。
倒れる人が出ないことを願っています。
私の個人的な意見ですが、冬の寒さを思えば、お天気が良くて暖かいのはありがたいです?
それにしても、日本はこれからどうなるのでしょうか。
自分の身は自分で守らなければならない国は最悪です。
今がコロナウイルスとの戦いとすると、もし負けるようなことがあれば総理は戦犯です。
これだけ蔓延しているのに、楽天的というか、オリンピックのことしか頭にないのでしょうね。
せめて、国民の邪魔をしないでほしいです。
ライブに参戦できる日まで、気仙のまっさんさんもお身体に気を付けてくださいね!
コロナワクチン接種業務 お疲れ様です。
今回のワクチンは、普通の冷蔵庫での保存期間や、溶解後の使用期限など制約が多いので本当に大変ですよね。
予約を受けるのも大変なのに、キャンセルの電話をするなんて本当に大変だと思います。
嫌がらせをされているクリニックもあるようです。
私も政治家、大臣、行政の対応に憤りを感じていましたが、総理と西村大臣の今回の記者会見を聴いているうちに、怒りがマックスになって、ついつい、長々とブログを書いてしまいました?
過去のことも思い出して・・。
共感してくださる方のコメント頂いてとても嬉しいです!
一日も早く、医療機関にもワクチンを配分してほしいですよね。
職域接種より個別接種を望んでいる人も多くいます。
副反応がおこった時の対応を考えると医療機関での接種の方が安心なのでしょうね。
minさんもお身体を大切に、患者様のために頑張ってくださいね?
おそろしいです。
ワクチン対策とPCR検査と都市封鎖して
感染者減らしてほしいです。
また、電車やバスはマスクしてますが
散歩中は、マスクはずしてます。
散歩中もマスク必要ですか?
東京大変ですね。
札幌も危険水域です。
お盆もありますし、東京が増えると早晩札幌も増えます。
観光、帰省、キャリーケースを持った人が多いです。
百貨店の地下、スーパーは相変わらず混んでいますが、
百貨店の制限をすると他の商業施設が混みあってきます。
最近は、ニュースで東京の人出を見ていると、絶望的な気持ちになることがあります。
いまだに楽観的な人がいますからね。
私はワクチンは終了しましたが、人混みに行くときは不織布マスク2枚重ねです。
外を歩く時もマスクは外せません。
不意にマスクをしていない人(マスクをしないでジョギングをしている人など・・・)とすれ違うこともありますので。
デルタ株は感染力が強いので、気をつけています。